読書メモ：人類の物語 Unstoppable Us ヒトはこうして地球の支配者になった

平たくいいますと、超ベストセラー『サピエンス全史』の子供版です。人類の進化や歴史を通じて人間社会の発展を探る内容です。この本では、人類の歴史を大きく変えた主要な転換点に焦点を当て、それが現在の人間社会にどのような影響を与えているのかを分析しています。

『サピエンス全史』ですか？読みましたよ、オーディオブックで。上巻だけで11時間のボリュームのアレですね。全部聴きましたが、後悔したことがございます。これだけ長い尺になると、今全体のどのようなパートのくだりなのかがピンとこないんですね。トピックや考察に関してはポイントポイントで面白いのですが、どうしても平板にただただ流してしまうことになり、結果理解が浅くなってしまったなあ、と。

対策はあります。目次や構成をあらかじめ頭に入れてから聴き始める、とか本の版面をみておいて章や節の構成を理解していると、流れや、テンポがわかります。ずいぶん違うと思います。頭では、わかっているんですけど、パッとイヤホンを出して聴き始めるルーチンに、予習が入っていないので、つい素で聴き始めてしまうんですよね。

とはいえ、単行本で上下600ページの大著を、ヨボヨボの老眼で読破するのはきつい（言い訳です）。オーディオブックなら重い本も持たずに自分のペースでいつかは確実に読み終えられるというのは「ならでは」の魅力です。そういう意味では本書は『サピエンス全史』のエッセンスを子供向けに砕いて、たとえもわかりやすく再構成したもので、語りかけ口調とともに、耳からもとてもわかりやすく入ってきます。これはありがたいです。そして、『サピエンス全史』の復習にもなりますね。

子供向け文体はオーディオ向きだなあ、助かるなあと思いながら聴いていたわけですが、カタログを見ると本書は総ルビ、そしてイラストもたっぷり入っています。紙版も「ならでは」のメリットがありますね。