これはたまたまなのですが、本書をオーディオブックで聴いて自分のポートフォリオ(にはなっていないけど、つまりは残高)を眺め。「何も考えていないな、これは問題である」と思い、どうしたものかと考えている最中に、相場のニュースが続々飛び込んできました。
「日経平均、TOPIX続急落、両指数ともに過去最大の下げ幅」
「日経平均は暴落、ブラックマンデー(翌日)を超す過去最大の下落幅に」
記事を読むと、日本が利上げするとの首相発言・米景気指標への不安感・それに伴う円高などが理由でグローバルに相場が崩れ、日本のせいで(?)アジア各国も釣られちゃっているということなんです。過去最大という歴史的な相場の事件があったときにどう振る舞うか、それを判断するには私の知識とアンテナはにわかにすぎました。そりゃそうです、一冊上質な本を読んで数日で、突発的な局面に門前の小僧の如く振る舞うことなど無理筋です。小僧ではなく見事におじさんですけど。条件反射で日経平均ちょこっと買っちゃいましたけど。軽薄!
本書はプロの職業投資家による投資術大公開の奇特な本なのです。著者の肩書きをアマゾンから抜粋しまとめますと、
1981年、野村證券に入社、海外投資顧問室に配属。スタンフォード大学で経営修士号(MBA)取得後、86年に野村證券NY支店に配属。91年、ゴールドマンサックス東京支店に転職。その後モルガン・スタンレー証券、スパークス投資顧問を経て、98年、タワー投資顧問で基幹ファンド「タワーK1ファンド」をローンチ。2005年に発表された最後の高額所得者名簿(長者番付)で全国トップに躍り出る。23年、「タワーK1ファンド」の運用を終了し、退社。
ほとんど端折る余地がありませんでした。会社は移っているものの、金融一筋、投資一筋のキャリアです。時系列で振り返りながら、やってこられたこと、成功したこと、失敗したことを経緯と理由付きで振り返ります。キャリア自伝、私の履歴書みたいな感じでしょうか。昔の野村證券イズムからリーマンショックでの危機、コロナ期間までとにかく成功も失敗もスケールの大きさに読んでいるだけでも鳥肌が立つほどです。当時の自身の考えと、今思えばの考察と、読者への教育的指導が盛り込まれ、読み物としても投資指南書としてもとても読み応えがありました。いや本当に面白かったですが、肝心の数字の部分がどこかに流れていっちゃっているような気がいたします。。なんだか昂ってしまい久しぶりに会社四季報を買っちゃいました。
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