今週のデジタルブックトピックス:2024/07/28

デジタル書籍・AI・海外版権

今週のデジタルブックトピックス

電子書籍市場、7.0%増の6449億円に成長・・・コミックが牽引、Webtoonも存在感(Media Innovation)

ブログのカテゴリにデジタルブックトピックスと名前をつけて、電子書籍の話題、その中でも成長分野といわれるオーディオブックに注目して国内外の記事をひろってまいりました。特に欧米は音声市場の成長が著しく、今後日本でも盛り上がってきた時の振る舞いとして参考になるだろうという目論見もありました。わかっていたことでしたが、あらためて毎度のこの数字を見ると、文字ものの電子書籍は添え物感がありますねえ。ウェブトゥーンあわせコミック業界といった方がふさわしいとすら思います。


電子書籍ビジネス調査報告書2023(インプレス総合研究所)

外部記事でもしばしばエビデンスとなっている恒例の電子書籍ビジネス調査報告書の最新年度版が発売されました。漫画は無料コンテンツのみのサーファーが過半数だ、ということもわかります。これで文字ものの電子図書館利用率が高かったらもっと下がるのかなあ、いや、その前にこちらも電子と漫画わけないとわかんないな。本編には分けたデータがあるかもしれませんが。


中国、「耳経済」が新たな消費の活力を喚起(Livedoor News)

中国で音声配信ビジネスが急成長しているというという話。シマラヤ(喜馬拉雅)は昔から音声コンテンツ界の巨人として君臨していたわけですが、やはりリーディングカンパニーではあるようですね。

音声プラットフォームユーザーの74.1%に有料のサブスクリプションサービス利用経験があり、35.4%が有料会員で、支払額は年平均1人当たり174.3元(1元=約22円)だった

これは、先ほどの電子書籍の数字と比べても力強いですね。無料のお試しコンテンツが多く、日本のようなフル朗読の音声コンテンツは少ないと聞いていましたが、構成比はどれぐらいなんだろう。


Spotify が Ingram と提携し、コレクションにインディーズタイトルを追加/Spotify Partners with Ingram to Add More Indie Titles to its Collection(Good E Reader)

Spotifyが米国のコンテンツプロバイダー(乱暴に、取次)Ingramと提携して、中小独立系出版社100社からオーディオブックタイトルをゲットしたという話です。この辺りの事情、日本からはわかりにくい感覚ですね。出版社は取次に商流を預けて販売先を指定しているのか、それとも取次が出版社と提携して制作コストを負担していたりするのか。いずれにしてもspotifyの本気度が感じられるニュースです。


Amazon Kindle for iOSに新しいAssistive Readerシステムが登場/Amazon Kindle for iOS has a new Assistive Reader system(Good E Reader)

機械音声の読み上げ他アクセシビリティ機能がバージョンアップされるとのこと。iOSはそもそもが視覚重視のインターフェイスだと思うんですよねえ。iOSというか、デバイスが、ですね。


Google、マンガファンをターゲットにした新しいコミックハブを日本で導入/

どういうハブなんでしょう?googleのストア強化というニュアンスには聞こえませんが、それがいいと僕も思います。ただこのリリースでは「ハブ」としかないのでどんなものかは想像できませんね。重みもわからない。

その他のトピックス

韓国・出版市場、下落傾向続く…売上高・営業利益ともに減(KOREA WAVE)

独立系書店の盛り上がり、読書会などのコミュニティ化が話題になっていた韓国ですが、昨年の統計では全体的に下がっているというニュース。うーん。昨今韓国の物価上昇が激しく、既刊本の値上げが追いつかないという話も聞きました。そして値上げ額も思い切ったものになっているとも。それを持って売上金額の総額が下がっているのは、数字以上の苦しさがあるかも知れません。


マスメディアとデジタルメディアを横断した国内24メディアの利用状況に関する調査レポートが公開(AUDIO MARKETING INSIGHTS)

今日取り上げるニュースは統計の発表が多いですね。シェア率と年齢・性別の構成比、そのままでは辛いので拡大してしばし眺める。この感じ、なんだったっけ。昔ABC調査をこんなふうに眺めていたっけな。


ベストセラービジネス書『1分で話せ』が、ビジネスゲーム研修に。(NEXERAリリース)

コミック・アニメはIPとしての存在感が増し増しでございますが、ビジネス書もゲーム研修という出口が普及してくるのでしょうか。いや、出口じゃなくてIPですIP。そもそもチーム研修などはゲーム的なワークも多いですしね。

今週の読書メモ

人はどう老いるのか: 講談社現代新書

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