読書メモ:新・仕事力: 「テレワーク時代」に差がつく働き方

オーディオブック読書メモ

あらためて、本書のタイトルを見直してみます。『新・仕事力:「テレワーク時代」に差がつく働き方 』です。いやー、すごいです。このシンプルかつ真っ正面なタイトル。1mmのひねりもない。というとちょっと小馬鹿にした感じで受け取られてしまうかもしれませんが、大前研一さんというビジネス書のレジェンドが語るわけですからタイトルは一番間口を広くとったほうがいいのです。そうでなければ私もぽちっとしなかったでしょう。いい年のおじさんがこのタイトルで名前を知らない著者だったらまず手に取らないですし、大前氏のマニアックな各論でもやはり手に取らないでしょう。というか私が驚いたのは新刊であること。大前さん新刊出されているのね、というところでした。既刊本『個人が企業を強くする』に増補したということですが、BBT大学含め現役なんですね、すごい。

世界を股にかけて活躍してきた元祖リモートワーカーといってもいい著者にとって、今必要に迫られて急対応せざるを得なくなった「テレワーク」の世の中については本質的な実のある言葉が綴られています。要するに環境がどうあれ自分がしっかり稼ぐことが大事なのだ、という軸があるのでとても明快です。さらにお役所も教育機関もコンサル目線で「こうすればいいのである」と喝破するところの喉越しの良さは爽快なものがあります。以前養老孟司さんの書籍『超バカの壁』でも感じましたがまあこの説得力がすごいです。多少の飛躍など断定の切れ味にかき消されてしまう。えーっとそうなのかな?なんて考えている間にグイグイ先に進んでしまいます。大前節を味わう、という楽しみ方ともいえるかもしれません。氏の著書を普段読んでいる方はいつもの感じかもしれませんが、多分20年以上ぶりぐらいに触れるともう、圧倒されますね。会社でも対外的にも自分が年上の存在になりがちになる今、親世代の力強い言葉を受け取ること自体がなんだかありがたいなあと感じます。また伝え方そのものの技術も勉強になりますよ。俯瞰の話が腹落ちすると後の枝葉の話は早いのではないかと思うのですよ。そういう意味でもマクロのフレームを仕入れるのにいいのではないかなと思える一冊でございます。

『新・仕事力 「テレワーク時代」に差がつく働き方』
大前 研一 (著) 小学館


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