読書メモ:超バカの壁

オーディオブック読書メモ

今タイトルを入力して、変換候補に「超馬鹿の壁」と出てきて語感キッツイな、でも超馬って区切ると三国志の武将みたいでかっこいいな、残った鹿の壁ってなんだ、と2秒ほど脳内で楽しみました。新書版の最初の『バカの壁』は読んだ記憶がありますが内容はとうの昔にどこかへ消えてなくなってしまいました。確か新潮新書の立ち上げ第一弾のラインナップとしてベストセラーになり、さすが新書ブーム後発でも新潮社さんはすごいなあと感嘆した記憶だけがうっすらあります。確かめてないので事実がどうだかは保証の限りではありませんが、記憶の壁というのはあてにならないものです。

本書、『超バカの壁』はシリーズ3作目とありまして、その前に『死の壁』があるのですね。『バカの壁』は忘れていて『死の壁』も読んでいませんが、新着情報かおすすめに出てきた『超バカの壁』をそのままポチって押して聴き始める。続編とはいっても小説ではないので一冊完結でいいのではないかとジャンクにジャケ読みする、これも一つの楽しみ方だと思いますし、結構気に入ってもいます。フタを開けてみれば本書は、バカの壁で反響や問い合わせがあったトピックを編集部が養老先生にリクエストしたいわば公開Q&Aみたいな仕立てで作られたということで、まさにどこから始めても抜けてもOKというオーディオ向きのコンテンツといえるでしょう。もっというと、トピックごとにチャプターに区切ってポッドキャスト形式で提供するのが一番ふさわしいかもしれないですね。そうなると多分私は見つけられていなかったと思いますが。

養老先生といえば、私が多分まだ学生時代に出された『唯脳論』が大反響となりベストセラーになりましたが、これは面白いけど難しい、面白いんだけどばっちり理解した上でのものなのか今ひとつ自信がない、そんな淡い記憶があります。結局書評や考察を読んで「こういうことだ」と理解を結論づけていた、となると『映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ-コンテンツ消費の現在形

で、先に内容、ネタバレを見てから作品を読んだり観たりする若者の先駆けですね。それはいいとしていいたかったのは理屈が難解でも語り口と切れ味のよさでわかった気になるぐらいの説得力がある文章なのだということなのです。さらに本書は話し言葉をまとめたものときているのでさらに脳に直接働きかけているような響き。トドメにはそれをオーディオブックで、語りで聴いているわけなのです。小泉内閣の頃の話なので当時の解釈を懐かしく聴いているからまだいいですが、ちょっとべらんめえが入った小気味のいい口上は本当に聞き心地がよく、頭に染み込んでいきます。文体なのかワーディングなのかわかりませんが恐るべき説得力が窺い知れる内容でした。本書の内容には触れぬまま、筆を置きたいと思います。

著:養老孟司
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『超バカの壁』 養老 孟司 (著) 新潮新書

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