「マツコの知らない世界」をみていると、ひょんなことがきっかけである世界に魅了されてしまい、その日を境にそれ中心の世界にハマってしまい現在こんな生活です。というくだりをよく見かける。他にも沼系の番組増えていますよね。オタク文化の細分化なのか、はまれる環境が揃っているということなのかわからないですが、当たり前すぎてハマるも何も、みたいなものが出てくるとハッとすることがありますね。「ジャガイモの世界」とか「ハンバーグの世界」とか。焼きそばみたいな子供の頃から当たり前にあって、なんならマルちゃんやペヤングの焼きそばは45年間ぐらいは食べていて、みたいなものにあらためて深掘りしようっていうのは不思議でしかない。
と前置きしつつ、『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』みたいなおもしろ本かもしれないという疑念も抱きつつ、でもテーマが焼きそばなのでさしたる先入観も持たずに聴き始めました。すぐにわかりましたがガチ考察。民俗史の学術本に近い、おちゃらけなしの「ソース焼きそばのルーツをたどる」旅でした。なぜ醤油ではなくソースなのか、いつ頃生まれたのか、どこでどのような経緯で生まれたのか、お好み焼きとの関係は?など切り取ってみればトリビア・雑学、繋げてみれば歴史となる。元々の趣味である老舗焼きそば店巡りから、取材に発展し文献にもあたってまとめられたもので、焼きそばが繰り返される7時間、お腹いっぱいに堪能しました。
『ソース焼きそばの謎』塩崎 省吾 (著) 早川書房
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