読書メモ:エネルギーをめぐる旅

オーディオブック読書メモ

しばらく過日の読書分。教養本、リベラルアーツ本は少し前からかなり骨太のものも売れる本が出ていますよね。『銃・病原菌・鉄』とかのイメージ。中世欧米史とか、日本戦国史などの輪切りではなく切り口でグローバルな考察をしたもの。最近では『サピエンス全史』とかもそうですよね。もちろん歴史だけではないですね。最近では地政学のテーマで硬軟結構売れていますが、SDGsとかウクライナ事情とかもあるでしょう。そう考えるとサイエンス系では骨太で売れた本ってあったかな。ホーキングさんの本とかはちょっと違うかな。売れる売れないばっかりいうのも変か。『ファクトフルネス』もそうだけど本棚のジャンルでいうとどこにあたるんだろうという本も多くなってきた。ちなみに『ファクトフルネス』は紀伊國屋書店チェーンでいうと自己啓発の棚に置かれている店が多いようだ。これ自己啓発という言葉が曲者なんだけど、買う客としてはお勉強のため、自己を高めるため、つまり自己を啓発するために買う人が多いだろう。これは購入理由である。そして本書の内容は思い込みに捉われることなく、正しい根拠を突き止めて物事を正しく見る目を持とうと。それには科学的な根拠をあたる、これにはサイエンス的な素養も必要だ。ザ・リベラルアーツ本にも感じられるしハウツーとしてはオレオレ詐欺に引っかからない方法のような体裁の本だ。いや、それは違うけど。ジャンル分けって難しい。あれ。

リベラルアーツ本売れてますよね、SDGsとかあるからかね、みたいなつかみで始めるつもりであまり考えずにダラダラ書いていたら自然に脱線してしまっていた。

『エネルギーをめぐる旅――文明の歴史と私たちの未来』もそういう一つのテーマについてグローバルに、かつ歴史を紐解いていくような本かと思って読んだのだけれど、果たして実際そうだった。ひたすら人類の歴史とエネルギーを追いかけながら、それら節目にきた時のファクトフルネスな考察に「そうだったんだ!」と子供みたいなリアクションをとってしまう。人間の脳とエネルギー、化学肥料の登場がエネルギー的にも大転換点だったこと、などなど。

で、読んだ後本書の著者がアカデミックな場所の方ではなく、サラリーマンであったということを知りさらに驚く。ファクトの部分は、ご職業が日本石油というザ・エネルギー会社だったということで納得できるところもあるけど、歴史考察など人文的な解説や構成もとても読み応えあり。エネルギーの大局、がわかる一冊。面白かった!(枕のほうが長かったな。。)

『エネルギーをめぐる旅――文明の歴史と私たちの未来』
古舘 恒介 (著), 英治出版


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