学生時代の友人が、大学生当時に佐藤優にハマっていて、何やら語りたがるのだけど、「国家」「政治」に関して人としゃべるのが苦手、というか嫌な経験をしたことがあって避けていたこともあり、そんなネタ元である佐藤優さんという方がどんな方か、ニュースに出ていた頃の話ぐらいしか知らずにここまできた。一冊ぐらい読んでいたのかな、でも定かではないなあ。今の日本、いや世の中を危機状態であるとして、そんな時こそ先人の知恵の結晶である本に学ぼう、こんな本がありますよ、と平たくいうとそんな流れで、書籍と著者の紹介、なぜ読むべきかが熱量をもって語られる。紹介されている本は以下の6冊。
◎内村鑑三『代表的日本人』
◎ヨゼフ・ルクル・フロマートカ『なぜ私は生きているか』
◎宮本顕治「鉄の規律によって武装せよ!」
◎アーネスト・ゲルナー『民族とナショナリズム』
◎手嶋龍一『鳴かずのカッコウ』
◎斎藤幸平『人新世の「資本論」』
この中で読んだことがあるのは最初の『代表的日本人』だけでした。でも例によってほとんど覚えていないので、全て新鮮に読むことができました。
このブログは自分メモというかログから始まっていて、こんな本だったということはさておきこう思った、内容とは関係ないけどこんなことを感じた、とか、このような目的を持って読んだらこうだった、とかその書籍とのご縁やその結果について書いていることが多い。それこそが個人的な体験だと思うからなんだけど、だからして読書ガイド的なメッセージ性はほぼないのです。似たような境遇の方に、こういう本あるよ、はあるかもしれないけど。そういう意味では外交官時代にタフな交流や交渉でグローバルな目線を得た著者の経験からお墨付きの、今の危機に立ち向かうための本は説得力を超えて、切実感すら感じさせる。これはオーディオブックだからかもしれないが、引用か著者の言葉かわからない部分があり、それをそのまま聞いちゃっているのもあるかもしれない。強い本だ。
『危機の読書』佐藤 優 (著) 小学館
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